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三ノ峰 山行 [山行2007年前半]

ほぼ一ヶ月ぶりの山行になってしまいました。
シャバの皆様はGWで遠出されてますね。
僕も連休なのでちょっと足を伸ばしてみたいなぁ・・・高い山のテント泊はまだ寒そうなので
避難小屋を使った山行がいいかも?
という事で前回登った銚子ヶ峰から足を伸ばし、三ノ峰を目指してみましょう♪

三ノ峰は2128mの頂を持ちますが、地図上では白山に繋がる峰の一つに過ぎないのです。そう言ってしまうとそれまでなんですが、石徹白白山登山口から三ノ峰を目指そうとしますと、銚子ヶ峰、一ノ峰、二ノ峰と大きく三つのデコボコを突破しなければいけません。これは単純に2128mの独立峰を登って降りてくるのとは訳が違います。ナメてはいけませんぞ!気合を入れて臨みましょう!

 

5月7日


夜明けの156号を走らせていると、山から雲が上がっている景色が気になります。
車を停めては写真を撮っているので、石徹白到着がずいぶん遅れてしまいました。

前日の雨で山はどうなっているのかな?石徹白川沿いの林道が通行止めになっていたり
すると、この山行はおじゃんになってしまうので気になる処です。


 


心配した土砂崩れも無く、白山登山口に到着。
一ヶ月前より随分残雪が少なくなり、新緑もちらほら見えて楽しみです。


8:40 準備を整えて出発。石徹白大杉さんに御参りして山行の安全祈願をします。
「天気はいいけどね、アナタ、何か忘れ物してませんか?」
大杉さんから声が聞こえました・・・う!サングラス忘れたぁ!
雪の上を長時間歩く山行では必需品です。
今回は泊まりという事で70ℓオスプレーにザックを変えてます。
サングラスはもう一つのザックに入れたまま、幸い車には積んでありました。
ザックをデポして車まで戻りサングラスを取ってきて再出発です。

 



1100m~1400mでは、ちょうどタムシバ(ニオイコブシ)が咲き始めでした。


          

     
10:30 神鳩(かんばと)避難小屋到着


     
ここら辺りからザラメの残雪が多くなってきました、
母御石の急登に備えてアイゼンをつけます。
 

カジタックス12本爪と靴の相性が今ひとつなので前金具にビニールテープを12、3回巻いてみました。


          


11:30 稜線は強いという程では無いけど風があります。
そろそろお腹が空いてきたので、母御石の風裏を使わせて頂き昼食にします。
お湯が沸くあいだ、大きなザックの上に寝ころがって空を眺めると とっても気持ち
いい~♪このまま昼寝して神鳩小屋に戻って泊まるのも悪くないアイデアですねぇ
・・・いかん、いかん、今日は一ヶ月前に眺めた三ノ峰まで行くんですよ。
     

12:00 昼食を終えて、少し減ってきたアクエリアス500mlのボトルにザラメ雪を入れ込みます。
雪のある山行ではこれをずっとやってまして、小休止の度、一口飲んでは雪を少し
入れるので、丸一日持つのですが、最後のほうはとっても薄いインチキアクエリアスに
なっているんです。

 

     

今日はほんとに天気がいいですねぇ~♪ずっと別山まで見えています。
余力があれば明日別山まで往復したい気持ちもあるんですが、
それは三ノ峰に着いてみないと判りません。
今回はまず三ノ峰が目標です。

 



14:00 一ノ峰(1839m)、ここまで夏道は笹薮の中を見えていたり、 突然ザラメ雪帯に突入したり、なかなか一筋縄では歩かせてもらえません。だんだんザックも重く感じ始めましたヤレヤレ^^;


夏道の窪みにザラメ雪が溜まっている部分の登り下りは、強くステップを踏み込むと
ズボッ!とマタまで嵌り込み、下はちょろちょろ雪解け水が流れるミニ雪渓状態になっております。

また、こういった難所にかぎって両側の笹薮は背丈ほどありまして、藪こぎは大変そうですし、登山道との境界には倒れた笹の上にザラメ雪が乗っている為、とっても滑りやすいです。

多少でも荷重を分散させ、しっかりホールドを求めるなら、アイゼン装着のまま歩いた
ほうが得策かな?と思いながらの歩行が続きます。(装備軽量化の為、チタンアイゼンの購入を検討した時もあったが、こんな状況ではやっぱりクロムモリブデン鋼が無難だと思った)

 


    
15:15 二ノ峰(1962m)到着
           

この峰は福井県の最高峰となっておりますが、夏道は頂きの西肩を通過しています。

せっかくなので、シラビソに囲まれた頂きと思われる場所まで登ってみる事にしました。


う~ん 何の標識も無いのでピンと来ませんねぇ^^;

時間も、いい時間になってきましたよ、先に進みましょう!

二ノ峰の下りから三ノ峰取り付きまでは、夏道が見えているのでアイゼンを外しました。


トコトコと最低鞍部を過ぎますと、いきなり バーン!と東の眺望が開けました!

          

 

 

 

 

(翌日帰路に撮った写真です)
二ノ峰~別山に囲まれた斜面は緩やかに別山谷源頭部に向かっており、
カッコいいパノラマ展望です!これは来た甲斐がありました!素晴らしい!



    
もしもし、パノラマ感動はいいのですが、前方の三ノ峰をよく観察して下さいな・・・

       

げげっ!どう見ても夏道が途中で雪面に入ってます。しかも半端じゃない傾斜ですよ!
左端の稜線はどう見ても笹の激藪です。

と、いう事はアノ雪壁をよじ登るしか無さそうです・・・

これを越えれば避難小屋だ!と安心していたら、ソンナに山の神は甘くなかったです。

時間も時間です、ここは腹をくくって突破あるのみですゾ!

これまで使っていたトレッキングポールを仕舞いまして、ピッケルを準備、再びアイゼン
装着、冬季グローブも装着です。

雪壁の真下に行って見上げますと、やっぱり壁にしか見えません。無論トレースもありません。

・・・こんな核心部があったとは  ・・・雪面が安定しているのが唯一救いです。

コケれば滑落、ほんとの本気で一歩、次の一歩とアイゼンを叩き込み、、ピッケルもしっかり刺し込み
登り始めます。

万一滑落しても笹薮に引っかかりそうなルートをとりながら進みます。
エンヤコーラ!ガッシ!エンヤコーラ!ブスッ!エンヤーコーラ!ガッシ!
ピッケルだけで体重を支えられる位、渾身の力で雪面を突き刺し、
また一歩前進の繰り返しです。
      
ようやく40度以上の壁を越え、30度斜面に取り掛かります。喉がカラカラだよぉ・・・
しっかり確保してインチキアクエリアスを一口ゴクリ。

一時間ほど格闘の末、この斜面をクリア!避難小屋が見えた時は ほっとしました。


16:30 三ノ峰避難小屋到着。
      
お疲れ~♪、誰も居ない小屋に「お邪魔しま~す!」「今晩厄介になります宜しく~!」
入り口ドアのガラスが割れていて、ちょっと危ないですね。

日のあるうちに夕食を済ませてしまいましょう。
スタッフバックとピッケルを持って、綺麗な雪を沢山削り取ってきました。
      
お湯を沸かしているあいだ、コンホォーム・パッドを膨らませたり、シュラフをパタパタと
膨らませておきます。

日暮れが近づくにつれ風が強くなって来ました、小屋は有難いですね。

ラーメンとおにぎり、ソーセージなどの食事を済ませると、ウトウト眠くなって来ました。

まだ、夕焼けには時間がありますのでシュラフにごそごそ潜り込むと、いつの間にか
眠ってしまいました。

      
びゅ~  びゅ~   ・・・風の音で目が覚めると ・・・な!なんと!18:55!

窓は赤く色づいてます、ヤバイ! 飛び起きてカメラを持って外に出た!


か、感動~!眼下に広がる夕焼けはかっこ良過ぎです、あぁ感謝。


     



19:00 夕焼けの避難小屋。






タップリお湯を作って、ホットココアを飲み、
明日の朝の水もコッヘルに残してあります。
        
では「おやすみなさ~い!」




  5月8日 4:00 

「おはようございま~す!」 昨夜は風の音がうるさかったけど、まあまあ
眠れました。夜中外に出たら満天の星が輝いてましたよー。

5:00には三ノ峰山頂からご来光を拝みたいので、ぼちぼち準備しましょう。




昨夜もそこそこ冷えたようで、雪面はクラストしてますからコケない様に。

避難小屋から山頂は5分です。  さあ!日が昇って来ましたよ!


     
別山平の向こうに白山も見えてますね~、今朝のクラスト状況や、
昨日の核心を降下する事を考えると、これから別山往復はちょっと厳しいですね。

今回はこの景色が見られただけで十分ですし、余力を残して下山したいので、
帰る事にしますね。   では「ごきげんよう~!」


 6:45 荷物をまとめ、掃除をして小屋を後にします。

「また来るね~!バイバイ!」

      
      

さて!いきなり核心の降下ですゾ! 

朝日を浴びて少しはクラストが緩んだようですね、ピッケルもしっかり刺さり、アイゼンも効きます。

こうやって見下ろすとかなりの高度感ですねぇ^^;

昨日登っておいてよかったです、いきなり降下はちょっとビビります。


では、では、エンヤーコーラ!ガッシ!エンヤーコーラ!ドスッ!


こんな処をスキーで滑って降りる方も居るんですよねぇ、凄いですねー
慣れですかね?
今の僕には、一歩づつ雪面状況を探りながら歩いて降下が一杯いっぱい。
この斜面で突風に吹かれたらヤバイです、残雪時期なら天気が安定してる時しか
来れないですね。

 



      


銚子ヶ峰まで戻ってくると旅も終盤です、戻ってきたルートを振り返えります。

今回も沢山歩きました、神鳩避難小屋が見えて来ましたよ。

アレ?上がって来る方が見えますね、今回も人には会わないかな?と思って
いましたが、さすが新緑の季節ですね、8名ほどのパーティーさん達です。
ご挨拶しながらすれ違います。

  9:45 神鳩避難小屋着、

インチキアクエリアスも残り少なくなってきたので、
違う飲み物を作って大休止としましょう!
少量の湯を沸かしてココアを溶きます、これにザラメ雪をドッと入れて
アイスココアの完成~♪

稜線より下は風も無く暑いです、下界はいったい何度になっている事やら?

 10:15 ぼちぼち行きますか。

カケス君が目の前をバタバタと飛び去ります。翼の付け根に綺麗な青い羽をチラつかせながら

人の前へ、前へと案内人のように飛ぶ事があるんですが、今日はご機嫌ななめかな?



タムシバ(ニオイコブシ)が昨日より開いてますね。

サメビタキ、エナガ、ミソサザイ、ウグイス、コガラ、オオルリ、
高度を下げ、石徹白大杉さんが近くなるにつれ、小鳥の鳴き声が賑やかになってきました。



石徹白大杉さんにお礼を言って下山です。

       
 12:00 白山登山口到着。


めちゃくちゃ暑いです!水場でアイゼンやらスパッツ、靴を洗って、
ついでにアタマから水浴びです!あ~気持ちいい~♪

岐阜、福井、石川県にまたがる山行も無事終わりです。

余力があるので、知り合いに頼まれたおみやげを探しつつ、まったりと帰路に就きました。

岐阜に帰ってびっくり!今日は30.4度とか・・・温度差30度以上の体験だったんですねぇ。
   

         


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