水彩画『朝焼けを行く』 カナダの旅 12 [水彩画]
水彩画『朝焼けを行く』 F3 カナダの旅シリーズ その12
サーモン釣り最終日。午後一番のヘリでこの地を離れるので、午前11:30までにロッジに戻らなければならない。
残された釣り時間は正味3時間半ほど。昨日の時化がまだ残る朝焼けの海に繰り出す。赤い朝焼けに、また嵐の予感がする。ひょっとしたらもっと早く帰港することになるかもしれない、急げ!残り時間は僅かだ!
最終日、我々の思いに呼応してか、マンセル君は真っ赤な海原をフルスロットで突っ走る。
昨日船酔いした客は、まだキングを釣っていなかったが出漁を見合わせた。余程昨日のダメージが大きかったのだろう、可愛そうだが仕方が無い。
昨日の余波残る海に仕掛けを落とすと、いきなり女性の竿が海中に突き刺さった!
キングだ!それもデカイ!
波とぬれた甲板で足元が不安定なうえに、強力な引きが加わり女性は海に引っ張り込まれそうになる。
危ない!
ヒットさせた獲物は一人で戦うのが原則だが、これは見てられない・・・
後ろから竿とリールをサポートし、最初の突っ込みをなんとかかわした。
後ろから手を添えて何回かやりとりしているうちに、走りに対するスプールの押さえ加減は判ってきたようだ。
やっと慣れたのに、10分ほどで彼女は疲れと波の恐怖で腰が抜けてしまい竿を支える事ができなくなった。
・・・僕の懐で彼女が竿にぶら下がり、僕は彼女と竿を支えながら34ポンドのキングと戦うことになった・・・
ありえんカタチ・・・^^;
それでもなんとか、やったとったを繰り返し、20分でキングはネットの中へ・・・お疲れ様でした。
さあ!この勢いで行こう!
最初のポイントに戻り、仕掛けを投入すると今度は僕に来た!
これもデカイぞ!
同じ34ポンドだったが、彼女がくっついていなかったぶん楽に寄せる事ができた。
宴は幕を降ろした。
「ありがとうマンセル君」 「今度仕掛けをいじったら俺のボートにゃ載せないぞ!」 「あはは、こっそり針を研いでたのバレてたか^^!」
「ああ、知っていたよ。 おめでとう・・・君らはいいチームだ!」