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「天の夕顔」 中河 与一著 [最近読んだ本]


天の夕顔 (新潮文庫)

天の夕顔 (新潮文庫)

  • 作者: 中河 与一
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1954/05
  • メディア: 文庫



飛騨山之村、有峰、まんざら知らなくも無い土地を背景にした純愛小説ということで読んでみました。



簡単にまとめれば、慎み深いけれど執拗でプラトニックな男女の物語。
純愛という印象より”しつこい!潔いという言葉は知らないのか?”という印象が強かった。
著者が固有名詞にあまりこだわらず、「わたくし」「あの方」という表現に重きを置いたのは、場合によっては貴方方でも起こり得るお話なんですよという読者へのメッセージなのかな?
23年ものプラトニックな恋愛ですか?まー有り得ないことも無いでしょうが、それこそ天の川の一粒でしょうねぇ。それに、一線を越えたらただの不倫小説になっちゃいますからね。

途中、この青年は別な人と結婚生活を送るんですが、この嫁さんがずっと健康だったらどうなっていたんだろう?とか、当人同士がちょこっとでも一緒(正当に)に生活するチャンスがあったらどうなっていただろう?当人同士のモラルや宗教観がもう少し強かったらどうなっていただろう?とか青年のほうが先に亡くなっていたらどうなんだろう?など、いろんなケースを想像してみると面白かった。(意地が悪い?)

有峰周辺はちょこっと出てきますが、この小説の流れからすれば、必ず有峰が背景でなければ成り立たなかったか?というと、そうでもない気がします。






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