「熊嵐」 [最近読んだ本]
1915年、北海道三毛別熊事件(冬眠に失敗したヒグマが開拓村を襲った惨劇)をモチーフにした小説。
襲われた村民や区長と一緒になって「こんな時はどうするんや?次はどしたらエエんや?」、熊打ちの銀四郎、「どうやったらヤツを仕留められる?」などと考えながら一気に読んでしまった。
無論、人肉の味を覚えてしまった野生動物を生かしておくわけにはいかないと思うが、ヒグマのテリトリーに踏み込んだのは人間の方。
ヒグマがあさったゴミ箱の蓋をしながら、「もう、あの子だけは器用にこれを開けちゃうんだから、なんとかしないとね」「あっちに行きなさい!あんたの食べ物はここには無いんだから!」とピストル片手に大声で熊を追い払うアラスカのおばちゃんを思い出した。
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