尚子ロードの赤い霧
赤い霧 2006年7月11日早朝 チャオ御岳 通称 尚子ロード 標高1800m付近で撮影。
2004年から2007年にかけて日和田、チャオ御岳地区に頻繁に通った。春夏秋冬を通じて変わり行く白樺、唐松、シラビソ林や御岳、乗鞍岳の山容はかなり魅力的だ。その中でも特に印象深かった光景の一つが上記です。
2006年7月11日、この日の朝は夜明け前から濃い霧が発生していて視界は数十mしかなく、朝焼けの御岳や乗鞍岳を拝む事はほぼ絶望的だった。
それでも根気よく霧が晴れるのを待っていると、なんと周囲の霧が真っ赤になりだした!
自分の手も足も構えるカメラも山も樹も空も、全てのものが赤に染められ、こんな事が自然現象で本当に起きるのか?信じられない気持ちでこの光景を眺めた。30秒ほどの出来事であったが、あの時の驚愕と感動は今でもはっきり覚えている。
回数を通っているうちに見ることのできた自然現象ではあるが、心の中では単なるサイトシーンの一コマに留まらない何か?が芽生え始めていた。シドニーオリンピックで日本中を感動させた高橋尚子の偉業を称え、この道路は整備され後続のアスリート達が汗する場となったのだが、この道でこの光景に出会ったのが単なる偶然とは思えなかったのである。
その年の9月濁河温泉から御岳登山をし、しばらく源流歩きから遠ざかって鈍った体を痛感、ジョギングに目覚めた訳ですが、今にして思うとこの霧を見ていた時に自分の中では「高橋尚子の名がついた道でただ景色を眺める運動不足な人間」→「何か始めなくては」→「まずは実力チェック」→「やっぱりエクササイズは必要」というストーリーが既に始まっていたように思えてならないのです。