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水彩画『ハイダの海』 カナダの旅 11 [水彩画]

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水彩画『ハイダの海』 F3 カナダの旅シリーズ その11

4日目、朝から時化、釣り客は天候の回復を待ちながら停滞。

トランプゲームを2時間ほどやり、打ち上げ会のスポンサーが決まった。

時化はなかなか収まらず、僕はいつのまにか深い海に沈殿していった・・・7000年もの間ハイダ族が暮らした海とは?

ガイドの話によれば、一匹のサーモンが針に掛かった時、その周囲には1000匹のサーモンが群れているのだそうだ。1000匹の群れが餌を求めて移動する。たまたまその中の一匹が好奇心でくわえたニシンの塩漬けが自分の竿先にあっただけ。その偶然にどれだけの人が一喜一憂した事だろうか?

途方も無く豊饒の海なのだ。

その恩恵をちょっぴり頂き感謝しながら土に戻って行く。

そんな暮らしが7000年も続いたのだろうか?

・・・また僕は深い海に沈殿していった。




午後、ようやく時化が収まり始め出港許可が出た。

船に自信のある客、まだ大物を狙いたい客は忙しく出港準備に取り掛かる。

既に大物を釣りロッジでくつろぐ客も居る、外の波を見てはなから出港を諦める客も居る。

こういう場合、釣りたくても船酔いしやすい客は出港を迷うね。

今日は釣りの時間が短いので、一旦出港したら「辛いからロッジに戻してくれ」とは言い出しにくい。

かといって、船酔い状態で2,3時間過ごすのもかなり辛いものだ。

小生はもちろん出港組。

以前沖縄で隣の船が波間に消えるくらいの時化でも黙々とルアーを投げ続け、諦めかけたカスミアジの大物をヒットさせた経験があった。
ノーヒットと船酔いでぐったりしていた同乗者を奮い立たせ、皆トレバリーの強力な引きを堪能できた事があった。今回も誰かがキングをヒットさせれば少々の時化なんぞ吹っ飛ぶだろうと思った。

釣り場に着くと思った以上に波はまだ高い。ボートの手摺に脚を巻きつけてないと海に放りだされそうな揺れだ。

仕掛けを投入したものの、置き竿では仕掛けが踊ってしまい釣りにならない。

各々竿を持ちボートから放り出されないようしながら、仕掛けを安定させるだけで大変な作業である。

20分で同乗者の一人がダウン。

あまりにも辛そうなので、ガイドのマンセル君と相談した結果、1時間半の釣りで引き上げることになった。

ヒットさえあれば船酔いも吹っ飛ぶさと竿先に集中するがアタリは皆無だった。

同乗者を奮い立たせることが出来なくて残念。

港に着くと真っ先に酔った客を降ろす。

もやいを結びながらマンセル君「オイラももどしそうだった」と海の男らしいジョークを飛ばした。





サーモンフィーバーの海

試練の海

ハイダの海

・・・解釈など意味が無い。



体で感じ、その瞬間、持てる力をふりしぼるのみ。



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