水彩画『最果ての浮き桟橋』 カナダの旅 7 [水彩画]
水彩画『最果ての浮き桟橋』 F3 カナダの旅シリーズ その7
バンクーバーからプロペラ機でクィーンシャーロット群島最北端のマセット空港着。
そこから更にヘリでアラスカ国境が見える孤島に到着。
この頼りない浮き桟橋が、カナダ最北端のヘリポートになるのではなかろうか?
僕らは着陸すると頭を低くしながらヘリを降り、強烈な風圧で海に落とされないよう踏ん張りながらヘリポートを離れる。
桟橋では万一に備え待機した係員が居て、機内で使っていた防音ヘッドホンを返した。
爆音が去り森や潮のざわめきに耳が慣れてくる頃、やっと体の力が抜けた。
部屋を割り当てられた後、一服しにテラスに出る。
喫煙者にとって海外旅行は障害物レースみたいなもんだ。
電車内禁煙、歩き煙草禁止、ホテルの部屋も禁煙、機内も禁煙、空港内は禁煙、空港の片隅でやっと見つけた喫煙スペースは雨ざらし、僕だって生まれた時から煙草が存在してなければ、ニコチン中毒になりようが無かったのに、まるで犯罪者扱いである。
やっと屋根の下で海を眺めながら一服できる幸せに ゆっくり浸る。
隣で煙草をふかしていたアメリカ人に調子はどうだい?と聞く。
滞在4日目で24ポンドのキングを一匹釣っただけだが、昨日別グループが30ポンド越えを釣っていたよ、と言った。
ふ~ん、秘境といえどやっぱり大物釣りは甘くないようだ。
彼は、お互い気長にやろうぜ というような事を言って部屋に戻っていった。
とうとうやってきた。
此処は世界中の釣りキチ達が50ポンドオーバーのキング・オブ・サーモンを求めて集うカナダの秘境だ。